ホームステイの前って、なんかドキドキしますよね。
「英語ろくに話せないけど大丈夫かなぁ」「仲良くなれるかな」「どんな食事が出てくるんだろう」・・・と、不安になったりもします。
ホストファミリーと仲良く暮らすためには、相手の文化やルールを尊重し、マナーを守ることが大前提。日本では失礼に当たらないことでも、ステイ先の国では失礼にあたったり、非常識と捉えられることもあるからです。
あなたの魅力が伝わりきらないうちに「非常識な人」というレッテルを貼られてしまわないよう、今からしっかり予習しておきましょうね!
ホームステイのマナーは期待値を下げることから
あなたがもし、ホームステイのイメージとして次のような事を思い浮かべているとしたら、さっさと捨てた方が賢明です。
✔ ホストファミリーが自分を家族の一員として迎え入れてくれ、色々ともてなしてくれる。
✔ ホストマザーとホストファザー、そしてその子ども達がいて、みんな白人。
✔ 休みの日にはどこか楽しいところへ連れて行ってくれる。
あなたのホストファミリーは白人とは限りません。黒人かもしれないし、同じアジア人かもしれません。シングルマザーかもしれませんし、子どももいないかもしれません。
日本にいる時にはあまり感じないかもしれませんが、海外はもっと多様性にあふれています。まずはステレオタイプなホストファミリーのイメージを捨てましょう。
そして、英語圏の国々においては一軒家であろうとコンドミニアムであろうと、空いている部屋があれば他人に貸し出すことは珍しくありません。
つまり、ホストファミリーはあなたと交流がしたくて迎え入れるというよりは、家賃収入を得るために迎え入れるのです。「休みの日は留学生をどこかに連れて行かなくてはならない」という義務もありません。
もちろん好意でどこかに連れていってもらえることはあるかもしれませんが、期待値はできるだけ下げておいたほうが後からガッカリしなくて済みますし、ちょっとしたことで嬉しい気持ちになりますよ。
私はこれまで仕事やプライベートで、何度もホームステイを経験したことがありますが、「家賃収入が一番の目的だけど、あなたと楽しく交流できたらいいな」という感覚のファミリーが多かったです。
文化によるマナーの違いに気をつけよう
ドアを開けておこう
滞在する国や家庭によっても違いますが、基本的にプライベートな時間(着替え、睡眠、集中したいとき)以外は部屋のドアを少し開けておくところが多いです。
いつもドアを閉め切っていると「あなたと関わりたくありません」という拒絶の意思表示をしているようにみえてしまいます。ホストファミリーにドアを開けておく習慣があれば、あなたもそれに合わせましょう。
そして、できれば自分の部屋にいる時間は極力減らし、リビングなどでファミリーと交流する時間を増やせるといいですね。部屋を出るときは貴重品を必ずスーツケースの中に入れ、鍵をかけるのを忘れないようにしてください。
ものが「無くなった」「取られたかも」というトラブルは意外とあるんですよ。
お互い嫌な思いをしないためにも、きちんと管理しておきたいですね。
自分のことは自分でやる
基本的に「Help Yourself」なところが多いです。これは、「ご自由に」「遠慮なく」という意味。「喉が渇いたら勝手に冷蔵庫にあるもの飲んでね」「ポットはここにあるから、お湯を沸かしてコーヒーやお茶を飲んでね」などと言われるかもしれません。
両親が共働きの場合や、小さな子どもがいる場合、朝は特に忙しいので自分で出来ることは自分でやるようにしましょう。(やることと言っても、シリアルにミルクを注いだり、パンを焼いたりするぐらいですが・・・)
欧米諸国では、子どもの頃から自立を促されます。子どもが小学生にもなれば、お金の管理をさせる親も多く、基本的に自分のことは自分で決めさせます。また、常に自分の意見を言うことも求められますね。日本と比べると、一人前扱いされるのが早いのかもしれません。
お客さんのように朝食が出てくるのを座ってじっと待っているとびっくりされますから、何をしたらいいか分からない場合は「How can I help you?」と聞いてみましょう。
ただし、「家のものにはなるべく触れられたくない」という家庭もあるかと思いますので、その場合はファミリールールに従って下さい。
断るときは早めに、ハッキリ、丁寧に
日本人はNOと言うのが苦手だと言いますが、「 I think I’m OK.」(大丈夫です)という言い方をすれば、やんわりと断ることができますよ。その後に理由を付け加えれば完璧です。意思表示はしっかりしましょう。
お腹がいっぱいなのにお代わりをすすめられたときは、「I’m very full, Thank you.」「I had plenty, Thank you.」などと言って断るようにするといいですね。
無理して全部食べきると、また次から同じ量か、それを上回る量の食事が出てくるかもしれませんよ。逆に食事の量が足りないときや、食べられないものがある場合も初めのうちにきちんと伝えましょう。
私の初めてのホームステイで出された食事は、焼かれたお肉の脇に、茹でたニンジンまるごと一本と、こぶし大のじゃかいもが何個かドドーン!と並んでいるもので、中々のインパクトがありました。(包丁なかった?!笑)食べきれなかったので、アルミホイルに包んで翌日のランチに頂きましたが、翌日もすごい量だったので減らしてもらうように頼みました。
【ミニ知識】宗教の勧誘?! 協会へ行こうと誘われたら断る?断らない?
敬虔なキリスト教信者でなくても、日常的に教会に通っているファミリーはいます。生活の一部というか、ただ地域の人と交流をするために行く人もいるくらいです。いやでなければ、一緒に行ってみるのも異文化体験になりますよ。行きたくなければ断って大丈夫です。もし断ったことによりホストファミリーから嫌がらせを受けたり関係が悪くなった場合はホームステイのコーディネーターに相談しましょう。宗教は自由なので押しつけられることがあってはなりません。
また、聖書をもらうことがあるかもしれませんが、それだけで「宗教に勧誘された」と思うのは間違いです。「あなたに神のご加護がありますように」「GOOD LUCK」という気持ちで送られる、ささやかなプレゼントである場合が殆どですから重く受け止めないようにしましょう。
細かな気遣いも忘れずに
お手伝い
お手伝いさんのように働く必要はありませんが、食事の支度、片付け、ごみ出しなど、できる範囲でお手伝いしましょう。
お手伝いを通してホストファミリーとコミュニケーションを取ることができるので、距離を縮めるチャンスです。また、日本とは違う家事のやり方が学べるので、よい経験にもなりますよ。料理を作るのが好きな人は、手伝いながら料理を教えてもらうのもいいですね。
掃除
自分に与えられた部屋は、掃除機を借りてきれいに掃除するようにしましょう。共有部分(キッチン、お風呂、トイレなど)もなるべく汚さないように、汚れたら掃除するようにしましょう。
私はシャワーを利用した後に、排水溝に溜まった髪の毛は毎回必ず取り除くようにしていました。黒髪だと特に目立ちますし、気持ちが悪いですからね。
笑顔を心がけよう
英語が話せなくても、笑顔だけは常に心がけましょう。日本人は(男性は特に)気持ちを表現することが苦手な人が多く、緊張も相まって無表情になりがちです。マスクを着用しているときは口元が見えませんから、目が笑っていないと常に真顔に見えてしまうかもしれません。
ちょっとオーバーかな? と思うくらいにリアクションしてみたほうがいいかもしれませんね。よい人間関係を作る上で、笑顔は最大で最強の武器ですよ!
カウンセラー時代、ホストファミリーから「日本人の男の子はGrumpy(気難しい、不機嫌)だから受け入れるのは嫌」と、断られたこともあります・・・
【ミニ知識】言葉の壁について
英語があまり話せなくてもホストファミリーとよい関係を築くことは可能です。ただ、話せたほうがより深いレベルで繋がることができるので、ホームステイをする前に出来るだけ英語を勉強していくことをお勧めします。あまり時間がない場合は、とりあえず語彙だけでも増やしておきましょう。日常生活の中にある目に映るもの全て、名前を言えるようにします。(分からなかったら都度調べる)
文法がよく分からなくても、とりあえず知っている単語を並べさえすれば、それなりに相手が推測してくれるからです。そして、間違いを恐れずどんどん話すようにしましょう。
相手が何か重要そうなことを言っているのに聞き取れない場合は、紙に書いてもらってから辞書を使って意味を調べるか、英語が分かる人に訳してもらうなどして必ず理解するようにしましょう。重要そうなこととは、ファミリールールや注意事項、スケジュールなどのことです。
ささやかなプレゼントを贈ろう
豪華なものを贈る必要はありません。花屋さんの前を通りかかったときに綺麗な花を数本、あるいは学校の近くに新しいドーナツ屋さんができたとしたらドーナツを少し。気持ち程度でよいのです。
人に何かをもらったり優しい気遣いをされると、あなたもそれを相手に返したくなりませんか?
人から愛されたいと思ったら、まずは自分から愛を向けましょう。ずっと受け身ではいけません。プレゼントが会話のきっかけにもなりますよ。
日本からのお土産を渡す際は、「自分がもらってうれしいもの」を基準に選ぶといいですよ。
まとめ
いかがでしたか?
ホームステイは当たり外れがありますが、ホストファミリーも人間なので、あなたの言動次第で態度や待遇が変わる可能性も十分にあります。
ただ、「十分な食事を与えない」「あからさまに意地悪や嫌がらせをする」「家事や子どもの面倒をいつも押しつけられ行動を制限される」など、あまりにも酷いホストファミリーにあたってしまった場合はホームステイ先を変更するか、自分でシェアルームを探すなどして家を出ることをおすすめします。あなたの貴重な時間を、ホームステイで苦しむことに消費しないでください。
「辛かったけど、それはそれで1つの貴重な経験になった」「ネタができた」とポジティブに捉え、気持ちを切り替えて次に進みましょう。世の中、悪い人ばかりではありません。
あまり恐れずチャレンジしてみましょう。
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