子どもと一緒に歌う英語の歌【線路は続くよどこまでも(I’ve been working on the railroad)】

英語子育て

「線路は続くよどこまでも」は、もともとアメリカのフォークソングです。1869年に開通したアメリカの大陸横断鉄道で線路を作った人達の労働歌だったものが、いつしか子どもの童謡になり、日本でも親しまれるようになりました。

ところが歌詞はというと、日本語の歌詞とは全然違います。

「線路は続くよどこまでも」の原曲「I’ve been working on the railroad」の歌詞と訳、そしてこの明るくキャッチーな歌の背景にある意外なトリビアについて紹介します。

「線路は続くよどこまでも」英語歌詞/日本語訳

I've been working on the railroad
All the livelong day
I've been working on the railroad
Just to pass the time away

ずっと線路で働いてる
朝から晩までね
ずっと線路で働いてるんだよ
ただ時間が過ぎていくんだ

Don't you hear the whistle blowing
Rise up so early in the morn
Don't you hear the captain shouting
Dinah, blow your horn

汽笛の音が聞こえるかい
朝早く起きなくちゃいけないんだ
キャプテンが叫んでるのが聞こえるかい
ダイナ、ホーンを吹け、ってね

Dinah, won't you blow
Dinah, won't you blow
Dinah, won't you blow your ho-o-orn
Dinah, won't you blow
Dinah, won't you blow
Dinah, won't you blow your horn

ダイナ、吹いてよ
ダイナ、吹いてよ
ダイナ、ホーンを吹いてよ
ダイナ、吹いてよ
ダイナ、吹いてよ
ダイナ、ホーンを吹いてよ

Someone's in the kitchen with Dinah
Someone's in the kitchen I kno-o-o-ow
Someone's in the kitchen with Dinah
Strummin' on the old banjo!

誰かが汽車のキッチンでダイナと一緒にいる
誰か僕の知っている人がキッチンにいるよ
汽車のキッチンでダイナと一緒にいて
古いバンジョーをかき鳴らしているんだ!

Fi, fie, fiddly-i-o
Fi, fie, fiddly-i-o-o-o-o
Fi, fie, fiddly-i-o
Strummin' on the old banjo

フィ、ファイ、フィディリ、アイ、オー
フィ、ファイ、フィディリ、アイ、オーオーオーオー
フィ、ファイ、フィディリ、アイ、オー、ってね
古いバンジョーをかき鳴らしているんだ
livelong dayリヴロング ディ四六時中、終日
early in the mornアーリー イン ザモーン早朝(mornはmorningのことですが古い英語で、日本語でいう「暁(あかつき)」のように詩的な味わいがあります)
Strummin’ on the old banjoストラミン オン ザ オールド バンジョー古いバンジョーをかき鳴らす(strum on で弦楽器などを爪弾く、かき鳴らすという意味で、playよりもテキトーに弾く感じ)
ayuciel
ayuciel

うちの子(3歳)はまだ、フィ、ファイ、フィデリ~♪のところしか歌えません笑

原曲にまつわる意外なトリビア

ダイナって誰よ?!

歌詞の中に出てくるDinah(ダイナ)という名前は、19世紀におけるアフリカ系アメリカ人の総称でした。

労働者が熱心に待ち望んでいる、鉄道の料理人として歌の中で登場します。

朝から晩までもくもくと働き続けていれば、食事の時間が唯一の楽しみだったのでしょうね。

「Dinah, won’t you blow your horn・・・ダイナ、(食事の時間を知らせる)ホーンと吹いておくれ」と何度も歌っています。

元々は差別的な歌だった?!

1840年代~20世紀の初頭にかけて、アフリカ系アメリカ人をバカにするようなエンターテイメントが流行った時期がありました。

白人が黒人を真似て顔を黒く塗り、わざと黒人の話し言葉を使って話したり、面白おかしく歌っていたのです。原曲の「I’ve been working on the railroad」もそういった曲の一つでした。

そして、そのような黒人の真似をする芸能人達は「ミンストレル」と呼ばれていました。

1950年代までにはタブーになり、ミンストレルと呼ばれる人たちもいなくなりましたが、アメリカの音楽とエンターテイメント業界に消すことのできない足跡を残すことになりました。

曲名でもある「I’ve been working on the railroad」は元々「I’ve been wukkin’ on de railroad」というようにアフリカ系アメリカ人が使う英語が使われていたそうです。

ayuciel
ayuciel

原曲の誕生から長い年月の経過の中で、何人かの人によって手を加えられ、現在では子ども達に親しまれる童謡になったんですね。

バンジョーってどんな楽器?!

曲中に出てくる「バンジョー」という楽器も、元々はアメリカなどで奴隷を強要されていたアフリカ人たちが、アフリカの楽器の特徴を取り入れて作り出したものでした。

ギターと同じ弦楽器ですが、弦の本数や構造に違いがあり音色も違います。

現在ではフォークやカントリーミュージックでよく演奏されていますよね。

さいごに

線路は続くよどこまでも(I’ve been working on the railroad)の英語歌詞、日本語訳、トリビアについてご紹介しました。

この童謡は人々の生活の中から生まれた歌が発展したもので、当時のアメリカの歴史や文化の影響を受けました。

多様性を当たり前に受け入れられるようになって来た現代の子ども達からしたら、そんな時代があったことにびっくりするかもしれませんね。

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ayuciel

ayuciel

ワーホリ経験(オーストラリア・カナダ)のある元留学カウンセラーで、子ども英会話教室の現役講師。海外の文化、英語学習、日本にいながらバイリンガルを育成するための「おうち英語」など、様々なトピックスを発信中。双子男児を育てる傍ら「Wiser Than Yesterday(昨日より賢く)」をモットーに、大人になっても学び続ける姿勢を大切にしています。

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