ネイティブの英語が聞き取れない理由と最短ルートの勉強法

英語学習

英語の教材や、英語教室の先生が話す英語はある程度聞き取れるのに、なぜかネイティブ同士の会話が聞き取れない・・・ということはありませんか?

私も初めはそうでした。特に、男性が低音ヴォイスでボソボソッっと早口で会話しているのを聞くと、「え、今のホントに英語?!」とさえ思った事も。

でもこの問題、理由を知って対策をすることで、克服できるようになるんです。私はそれこそ何年もかかりましたが、過去を振り返って無駄を省き、「これが最短ルート!」と思える方法をご紹介します。

ネイティブの英語が聞き取れないワケ

そもそも発音していない

「ありがとうございます」を「あざーす」と言ったり、「こんにちは」を「ちわー」と言っても、私たち日本人は状況から判断して何を言っているのかを理解できますよね。

それと同じように英語でも、ネイティブは発音されていない音を状況や文法から判断して推測し、自然に補っているのです。

つまり、全部聞き取れなくて当たり前。あなたに聞こえていない音は、ネイティブにも聞こえていません。

リエゾンに慣れていない

リエゾンとは音の繋がりのこと。

例えば「pick it up」は「ピック・イット・アップ」ではなく、「ピキダッp」のように発音しますよね。

日本語で「反応」のことを「はん・おう」ではなく「はんのう」と発音したり、「安穏」のことを「あん・おん」ではなく「あんのん」と発音するのと同じです。

リエゾンする理由はたったひとつ。その方が発音しやすいからです。

ネイティブ同士の会話では、会話のスピードも速くなりますのでリエゾンに慣れていないと聞き取ることが難しくなります

単語や文法の知識が足りない

知らない単語が多いと話を理解するのは困難です。逆に言えば、単語が全て分かれば何となく意味を理解することができます。

また、はっきり発音されない音の溝を埋めるのに、文法の知識は欠かせません。文法の知識があれば文の構造から聞こえてこない音を推測することができますよ。

イディオムの知識が足りない

ひとつひとつの単語は全て分かるのに、文全体の意味が分からないという場合はイディオムの知識が足りてない可能性があります。

イディオムとは複数の語が結びついて特殊な意味になる慣用的な言い回し、決まり文句のことです。

例えば「piece of cake」は「簡単」という意味ですが、「一切れのケーキ」のように直訳してしまうと文全体の意味がおかしくなりますよね。

また、アメリカでよく使われる表現で「ring~up」というものがありますが、電話をかけるという意味以外にも、「会計をする」という時によく使われます。

「Can you ring me up? (お会計してもらえますか?)」のように使うのですが、ネイティブの間でよく使われる慣用的な表現は学校で習わないことも多いかもしれません。

話題の背景となる知識が足りない

テレビ番組、有名人、歴史、政治、流行しているものなど、その国の文化についての知識がないと話が分からなかったり、冗談を言われても何が面白いのか分からないという事があると思います。

普段から海外のニュースをチェックしたり、ドラマを観たりしてアンテナを広げておきたいですね。

英語が聞き取れるようになる最短ルートの勉強法

ボキャブラリーを増やそう

前述したように、英語が聞き取れない圧倒的な理由はボキャブラリーがそもそも足りていないことです。

文法がわからなくても全ての単語の意味さえ分かれば何となく内容が理解できるはずなので、まず初めに語彙力を高めることが重要です。

ネイティブが実際によく使う英語が学べる単語帳としては、英語系YouTuberのATSUさんが作られたこちらがオススメです。単語帳にしてはちょっと値段が高めなのですが、その価値があると思いました。

試験対策で、ネイティブが1年に1回使うかどうか分からないような英単語を必死になって覚えるよりも、日常会話やビジネスで、頻繁に使われる単語を覚えた方が効率がいいですよね。

スマホで音声が聞けるのですが、日本人向けに配慮された音声ではなく、ネイティブが実際に会話をしているような自然な音声であるところがいいと思います。(初級者にはちょっと難しいかも)

「英単語を覚えるのが苦手」という方にはこちらの記事がオススメです。

リエゾンの「よくあるパターン」を覚えよう

リエゾンで脱落する音(リダクション)、短縮される音はある程度パターンが決まっています。

「he, his, him, her」などの「h」は脱落することが多い

→「I told her」は「アイ・トールド・ハー」ではなく、「h」の音が離脱して「アイトウダー」のように発音

「don’t」「didn’t」「couldn’t」などの「’t」は殆ど発音しない

→「I didn’t know」は「アイ・ディドゥント・ノウ」ではなく、「アイディドゥンノウ」のように発音

「did you」の発音は「ジュー」と短縮されることがある

→「What did you do?」は「ワジュードゥー?」

Did you get him?」は「ジューゲディム?」のように発音します。(himのhも脱落しています)

「we’re」の発音は「ウェ」と短縮されることがある

→「what we’re doing」は「ワッウェドゥーイン」のように発音します。

「trying to」の発音は「トゥライナ」と短縮されることがある

→ 「want to」→「wannaワナ」、「going to」→「gonnaガナ」は知っている人は多いと思いますが、「trying to」→「tryna」は知らない人も多いのではないでしょうか。

「should’ve」の発音は「シュドゥヴ」、「shouldn’t have」の発音は「シュドゥヌヴ」

→ なんだかややこしいので、一覧にまとめてみます。

短縮もっと短縮!
should’veシュドゥヴシュダ
shouldn’t haveシュドゥヌヴシュドゥナ
could’veクドゥヴクダ
couldn’t haveクドゥヌヴクドゥナ
would’veウドゥヴウダ
wouldn’t haveウドゥヌヴウドゥナ

ネイティブの英語が聞き取れるようになるトレーニングは、ニック式英会話の動画がオススメです。

ayuciel
ayuciel

YouTubeの「ニック式英会話」は本当に質が高いと思います。これを無料で視聴できる今の人たちって本当に羨ましい・・・ 私も20年前に出会いたかったです笑

ディクテーションはアプリで簡単に

「RedKiwi」というアプリがおすすめ

ニック式英会話で学んだら、実際に色んな英語の音声を聞いてディクテーションするのがお勧めです。

ディクテーションとは、聞こえてきた音声をそのまま文字にすること。

自分の苦手な部分を可視化できるので、リスニング力をUPする上でとても効果があると思います。

ですが・・・正直、ディクテーションって大変じゃないですか?

机に座ってノートを開いて音声を準備して、聞いて、一時中断して、書いて、間違いをチェックして・・・って面倒くさがり&飽きっぽい私には苦手な勉強でした。

そんな私が出会ったのがRedKiwiというアプリです。

引用:RedKiwi公式

好きなYouTube動画を選んでディクテーションするのですが、選択肢の中から聞こえてきた単語を順番に並び替えるだけなので、ゲーム感覚でできます。

ayuciel
ayuciel

ニック式英会話同様、20年前に出会いたかった・・・笑

「RedKiwi」のメリット・デメリット

RedKiwiは基本的に無料で利用できます。(1回あたりの使用時間や解説の閲覧に制限があるようです)

動画は☆☆★(レベル1)、☆★★(レベル2)、★★★(レベル3)の3段階。

カテゴリーもアニメ、コメディ、インタビュー、映画の中から選べるようになっています。

私が実際に1ヶ月使ってみて感じたメリット・デメリットは下記のとおりです。

メリット・手軽にスキマ時間で学習できる
・再生速度が選べる
・同じフレーズを何度もリピートできる
・自分のリスニングの苦手部分がわかる
・ネイティブの自然な言い回しが学べる
・連結・脱落・短縮される音に慣れる
・アメリカ以外のアクセントも選択できる
・英語以外にも学べることがある
デメリット・途中で動画がフリーズして中断されることがある
・訳や解説の日本語がおかしい時がある
・ブランク(空欄)の長さで、どの単語が入るか分かってしまう
・自分好みの動画が少ない

動画がフリーズする度にちょっとイラっとしますが笑、それ以外のデメリットは許容範囲で本当にいいアプリだと思いました。

レベルは3段階あるのですが、英語初級者にはちょっと難しいかもしれません。ある程度英語を聞き取れる人が、リスニング力を更にUPしたい時に良いアプリです。

RedKiwi:英語リスニング・会話・単語勉強
RedKiwi:英語リスニング・会話・単語勉強
開発元:HayanMind Inc.
無料
posted withアプリーチ

シャドーイングのコツは「なりきり」

ボキャブラリーを増やして英語特有の発音の仕方を学び、アプリで沢山ディクテーションの練習をしたら最後はアウトプットです。

シャドーイングは音声を追いかけるように復唱する方法。

シャドーイングのアプリもありますが、もっと手軽な方法として「YouTuberになりきる」という方法をオススメします。

実際にYouTuberになるのではなく(なってもいいですが笑)、そのつもりでネイティブが話した文をそっくりそのままカメラに向かってシャドーイングしてみてください。

撮影した動画を客観的にチェックすると、「なんか思ってたのと違~う!」ってなると思いますよ。

自分の中では上手に真似できていたつもりでも、意外とイントネーションやアクセントがネイティブと違うことや、表情が能面のように硬くなっていることに気がついたり・・・

「なりきる」ことで言葉に感情が乗りやすくなります。そして最初はちょっとした緊張感もあるので、慣れることで実践で緊張しにくくなりますよ。

さいごに

今はYouTubeやアプリなど、昔では有料級の質の高いコンテンツが無料で体験できる時代になりました。

有料なものでも、その分の付加価値が得られれば、英会話教室に通ったり海外へ留学するより格安で学ぶことができますよね。

時間がない人でも効率のよい学習ができれば、きっと少しずつネイティブの英語が聞き取れるようになると思います。

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ワーホリ経験(オーストラリア・カナダ)のある元留学カウンセラーで、子ども英会話教室の現役講師。海外の文化、英語学習、日本にいながらバイリンガルを育成するための「おうち英語」など、様々なトピックスを発信中。双子男児を育てる傍ら「Wiser Than Yesterday(昨日より賢く)」をモットーに、大人になっても学び続ける姿勢を大切にしています。

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